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生理的口臭と病的口臭の違い

においの基礎知識 口臭ケア
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口臭は人によって臭いが異なるものですが、生活習慣やストレス等が原因の「生理的口臭」と、何らかの病気が原因となっている「病的口臭」の2つに大別できます。

口臭が気になる場合は、まずは自分がどちらに該当するのか探ることが大切です。原因が解かれば、改善策もおのずと見えてきます。

そこで今回は、生理的口臭と病的口臭の違いや特徴、それぞれの予防法についてチェックしていきましょう!

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1.生理的口臭とは?

生理的口臭は誰にでも存在するにおいです。人は口内の唾液の分泌量が減少すると、それと反比例するように細菌が増殖していきます。これと同時に口臭の原因となる「揮発性硫黄化合物」がたくさん作られてしまい、生理的口臭となります。

唾液の量が少ないのは、起きた直後や、緊張している時です。この時は臭いの原因である揮発性硫黄化合物が増えるので、口臭が強くなります。

一方、食事をしたり水を飲んだりすると、唾液や水によって原因物質が流されるので口臭は弱くなります。

このように、生理的口臭は一時的な状況下で発生するものなので、病院で治療する必要はありません。生理的口臭を出さないように、時と場合に合わせて気をつけることが重要になってきます。

<生理的口臭の特徴>

・口臭が出る時もあれば、出ない時もある。
・ストレスの有無にも左右される。
・常に周囲の人達を不快にさせるわけではなく、時々気付かれる程度
・本人も気付いていないことがある。
・自分の生理的口臭が気になり始めると、余計に感じるようになる。
・顔を近づけた時に相手が気付く程度で、普通に話している分には気付かれないことも多い。

 

2.病的口臭とは?

歯科医師の写真

病的口臭は、虫歯や歯周病、歯肉炎などの口腔内の病気や、呼吸器系や消化器系、喉の病気など、身体全般の病気が原因で発生する口臭です。

この病的口臭の約9割は口腔内にあると言われており、口の中の病気がいかに口臭に影響を与えているのかが解かりますね。

病的口臭の原因となる具体的な病気・症状は、以下のとおりです。

1.歯周病

歯周病は、歯の周辺組織で起こる疾患です。出血や腫れ、歯の部分が長くなる(歯茎が下がる)、そして口臭などの症状があります。

歯周病の恐ろしいところは、自覚症状が少なく、いつの間にか進行してしまうことです。病気が進行すると歯茎から出血するだけでなく、そこに膿が混じるようになります。こうなってしまうと、口臭も酷くなりがちです。

2.歯垢(しこう)

歯の表面に付着する堆積物のことで、その正体は細菌の塊です。歯垢は「プラーク」と呼ばれることもあります。食べ物の残りかすが歯に付着していると、それを餌として微生物が繁殖します。この状態のまま長い時間経過すると、歯石になります。

3.歯石

歯垢が固まり、石灰化した状態です。歯石は歯周病を進行させる要因の1つであり、歯石が多いと口臭も酷くなります。

4.むし歯

小さな虫歯の場合は口臭はそれほどきつくないですが、虫歯が進行するに連れて口臭として感じてしまいます。むし歯はもともと独特な臭いを持っており、虫歯菌がむし歯の所にたまってしまうと、臭いがどんどんきつくなります。

神経まで虫歯菌に侵されて神経が腐ると、強烈な臭いを発するケースもあります。むし歯で口臭を出さないためには、早期発見・早期治療が大切です。

5.歯にかぶせた金属の腐食等

虫歯の治療で歯に金属をかぶせることがありますが、この金属が劣化して腐食すると、隙間ができるケースがあります。この部分に汚れが溜まりやすくなり、やがて口臭に発展する場合もあります。

また、入れ歯のプラスチック部分は、においや色を吸着しやすいです。この部分から嫌な臭いを発することもあるので、定期的にきれいに洗い、消毒しておくことが大切です。

6.舌苔(ぜったい)

体調がすぐれない時に、下の表面が白くなる場合があります。この白い物体の正体は「細菌」の固まりであり、このような状態を「舌苔」と呼びます。この舌苔も口臭の原因になります。

7.口腔ガン

頬粘膜や舌癌など、口腔内のガンにより、口臭が出るケースもあります。

8.鼻や喉、呼吸器系、消化器系の病気

咽頭炎や副鼻腔炎などの鼻・喉の病気や、呼吸器系、消化器系の病気でも口臭を起こすことがあります。

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3.生理的口臭の予防法について

生理的口臭を予防している人

生理的口臭は誰でも出てしまうものですが、予防法を意識しておくことで、嫌な口臭を防げます。生理的口臭の具体的な予防法について見ていきましょう。

3-1.唾液を分泌させる

唾液の分泌量が少ない場合、口内の細菌が増殖してしまい、口臭の原因となります。朝起きた直後は誰でも生理的口臭が出るものですが、これは夜寝ている間に唾液が分泌されにくいためです。

唾液を分泌させるための方法には、以下のようなものがあります。

ガムを噛む

食事の時によく噛むと唾液が多く出るように、ガムを噛んでいると唾液がどんどん出てきます。唾液には抗菌作用もあり、唾液によって口内の細菌がどんどん洗い流されていきます。

ガムを噛むと息がすっきりするイメージがありますが、これは大正解です。間違いありません。口内が唾液によって綺麗になるだけでなく、ガムに含まれる匂い成分によって息がリフレッシュされます。ガムは生理的口臭の予防に、一押しだと思います。

リラックスを心がける

人間は緊張すると、自律神経の働きによって唾液の分泌量が減ります。これとは逆に、リラックスしている状態は副交感神経が優位になり、唾液が自然に出やすくなります。

会議や記者会見等の緊張する場面でお水が準備されるのは、口が渇きやすいことも起因していると言えるでしょう。

舌の運動で唾液腺を刺激する

口を閉じて舌を左右上下に動かすと、唾液腺が刺激されて活動が活発化し、唾液が出やすくなります。

良く感で食べる

あまり噛まないで食事を済ませていると、口の周囲の筋肉が衰えてしまい、唾液の分泌力も低下します。常日頃からよく噛んで食べる習慣を身に付けていれば、唾液も出やすくなるものです。

良く噛んで食べることは健康全般(生活習慣病の予防やダイエットなど)にも良いので、意識してよく噛みましょう。

3-2.洗口剤で口内をゆすぐ

洗口剤(せんこうえき)とは、口の中を消毒・洗浄するための専用液です。テレビCMで放送されている花王の「ピュオーラ」も、洗口剤の1つです。

このような洗口剤で口をゆすいだり、うがいすることによって、生理的口臭を予防できます。

3-3.舌みがきをする

舌みがきは、生理的口臭の原因の1つである舌苔(ぜったい)の除去に役立ちます。磨く時は、専用の舌ブラシを使うようにしましょう。歯ブラシで舌を磨いてしまうと、舌の表面にある舌乳頭がちぎれてしまい、出血する恐れがあります。

 

4.まとめ

口臭は「生理的口臭」と「病的口臭」の2つに大別できますが、その原因は全く異なるものです。

生理的口臭は誰でも発生しうる病気であり、予防のキーポイントとなるのが「唾液の分泌」です。唾液には抗菌作用があり、たくさん分泌されることで口内の細菌を綺麗に洗い流してくれます。

日頃からよく噛んで食べたり、ガムを噛んだり、リラックスする習慣を取り入れたりして、唾液が分泌されやすい状況を作っていきましょう。

一方、病的口臭の原因は、多岐に渡ります。歯周病や虫歯、歯垢、舌苔などの口内の病気だけでなく、喉や鼻、消化器系の病気が原因となることがあります。

病的口臭の予防で大切なのは、まずは原因となる病気を治療し、再発を防ぐことです。気になる所があったらすぐに専門医の診察を受けて、早期発見・早期治療に努めていきましょう。

最後までお読み頂き、ありがとうございます。

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