加齢臭の原因物質「ノネナール」の発生を抑える方法
加齢臭の原因物質として発見された「ノネナール」。
加齢臭が出てしまうのは、このノネナールが皮膚の表面で作られてしまうからです。
したがって、この原因物質であるノネナールを出来るだけ発生させないこと、そして落としていくことが、加齢臭予防には重要になってきます。
そこでこのページでは、加齢臭の根本的な原因とも言える「ノネナール」が発生する過程や、抑える方法について見ていきましょう!
目次
1.ノネナールとは、どんな物質なのか
私たちの皮膚表面には、皮脂腺という分泌腺があります。ここからは分泌される皮脂には、「9-ヘキサデセン酸」という脂肪酸も含まれています。
また、中性脂肪やコレステロールが活性酸素によって酸化したものを「過酸化脂質」というのですが、この過酸化脂質は加齢と共に増加していきます。
さらに、私たちの肌表面には、数十種類の常在菌が住みついています。
ノネナールは、皮脂腺から分泌された「9-ヘキサデセン酸」が、過酸化脂質や常在菌によって分解されることで、発生します。
簡単な方程式で表すと、以下のようになるでしょう。
9-ヘキサデセン酸 ÷ 過酸化脂質 or 常在菌 = ノネナール
9-ヘキサデセン酸という脂肪酸が、過酸化脂質または常在菌によって分解され、ノネナールが出来上がる。
このため「9-ヘキサデセン酸」か「過酸化脂質と常在菌」を減らすことができれば、ノネナールの発生を抑えられることになります。
2.加齢と共に増えてしまう「9-ヘキサデセン酸」と「過酸化脂質」
しかしながら、ノネナールを作り出す「9-ヘキサデセン酸」と「過酸化脂質」は、加齢と共にどうしても増えてしまうものです。
若い人の皮膚には、9-ヘキサデセン酸はほとんど存在していません。しかし、年を重ねると共に皮脂腺から9-ヘキサデセン酸が分泌されるようになり、皮膚の上に蓄積されていきます。
また年を取るとコレステロールも増えやすくなるものですが、コレステロールからは過酸化脂質などが作られます。したがって年齢が上がると共に過酸化脂質の量も増え、ノネナールを作る材料が豊富になってしまうのです。
それだけではありません。30代、40代、50代と進むにつれ、皮膚の代謝も衰えていきます。すると菌のエサとなる老廃物が増えてしまい、皮膚の常在菌まで増殖していきます。
年を取るとノネナールが発生してしまうのは、もはや人間の宿命なのかもしれません。
3.どうすればノネナールの発生を抑えられるのか
では、どうすれば加齢に負けずにノネナールを抑えられるのかという話になりますが、その答えは意外とシンプルです。
1.皮脂の過剰な分泌を防ぐ。
2.余計なコレステロールを増やさない。
3.肌を清潔な状態に保つ。
既にお気づきの通り、1番は9-ヘキサデセン酸対策で、2番は過酸化脂質対策、そして3番は皮膚の常在菌対策です。
ノネナールの材料となる物質を可能な限り抑えることで、発生を防ぐことが可能となります。
4.ノネナールの発生を抑える具体的な方法
9-ヘキサデセン酸や過酸化脂質、皮膚の常在菌の増殖を防ぎ、ノネナールの発生を抑える方法を具体的にまとめました。
1.高脂質の食品は控えめにする
ステーキやトンカツ、から揚げなど、旨いものには「脂」が多いです。過剰に高脂質の食品を食べれば、皮膚から脂質が分泌されやすくなります。
食べてはいけないというわけではありませんが、その量に気をつけましょう。また、きちんと消化されるように、食物繊維の多い野菜や海藻類、きのこ類も一緒に食べておきましょう。
2.コレステロール値に気をつける
健康診断を受けると、コレステロールの値も出てくると思います。そして医師から「コレステロール値が高いですね」と指摘された経験をお持ちの方もいらっしゃると思います。
コレステロールは悪玉(LDL)と善玉(HDL)があり、問題は悪玉コレステロール(LDL)の方です。厚生労働省では、LDLの適正値は「140mg/dl未満」とされています。160mg/dl以上の場合は高コレステロール血症となるので、十分に注意しましょう。
3.活性酸素の除去に努める
活性酸素は、9-ヘキサデセン酸の酸化を促進させます。この活性酸素を除去する、または発生を抑えるためには、ストレスを溜めないこと、健康的な食生活を心がけることが大切です。
また、抗酸化作用がある食品を食べるのも効果的です。抗酸化作用を持つ栄養素としては、ビタミンCやE、ポリフェノール、イソフラボン、カテキン、βカロチンなどがあります。野菜や大豆食品を積極的に食べて、抗酸化力も身に付けましょう!
4.お肌を清潔な状態にする
お風呂では石鹸やボディソープを使って隅々まで洗うこと、汗をかいたらすぐに拭き、余計な菌を増やさないことなど、日頃からお肌を清潔な状態にしておくことも大切です。
また、汗や皮脂の分泌が過剰な場合は、ボディシートを使って小まめに拭き取るのがおすすめです。
5.まとめ
加齢臭の原因物質であるノネナールは、脂肪酸の「9-ヘキサデセン酸」が、過酸化脂質や皮膚の常在菌によって分解されることで発生します。
したがってノネナールの発生を抑えるためには、その材料となる9-ヘキサデセン酸や過酸化脂質の過剰分泌を防ぐことが大切です。
しかし、これらの成分は残念なことに、加齢と共にどうしても増えやすくなります。
このためノネナールの発生を防ぐためには、食生活やコレステロール値、健康的な生活習慣を、若い時以上に気をつけなければなりません。
さらに、日頃から身体を清潔な状態にし、ストレスや活性酸素を増やさないように努めることも大切です。
ノネナールは、私たちの頑張り次第で、発生を抑える(少なくする)ことが可能だと思います。加齢臭に負けないために、日々心がけていきたいですね。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
~関連記事~