子供の鼻づまりには要注意!身体や脳の発育を妨げるケースも。
お母さんがなかなか気付きにくい、子供の鼻づまり。お子さん自身も「これが普通」みたいに思い込んでおり、何も言わないケースすらあります。
しかし、これは子供の将来を左右し兼ねない大きな問題です。
なぜなら、鼻づまりは子供の身体・脳の発育を妨げる危険性があるから。
鼻づまりは息苦しく感じるだけでなく、”子供の発育を邪魔する”という重大な弊害が出てきます。発育途上の小さいお子さんであればあるほど、その影響は大きいです。
では、具体的にどのような悪影響を及ぼすのか。まずはその内容を見ていきましょう。
1.熟睡できなくなる
風邪を引いてしまい、鼻水で鼻が詰まってしまった時。大人でも息苦しさを感じて、熟睡できなくなる場合があると思います。
子供の鼻づまりもこれと一緒で、熟睡を妨げる原因になってしまいます。鼻が詰まっているとどうしても口呼吸になってしまい、喉はカラカラ。お子さんによっては喉が腫れてしまい、熱が出るケースがありますね。
鼻づまりは、睡眠障害の大きな原因の1つです。
2.睡眠時無呼吸症候群を発症する
睡眠時無呼吸症候群とは、寝ている間に無意識に呼吸が止まってしまう状態です。これは一晩の間に何十回も繰り返されてしまい、身体や脳の疲れが取れません。
では、一体どうして鼻づまりが睡眠時無呼吸症候群を引き起こすのでしょうか。その理由は、口を開けることで舌が喉の奥の方に落ち込んでしまい、筋肉の緊張が緩んでしまって、喉が狭くなるからです。
これに肥満や扁桃腺の肥大化が合わされば、症状はさらに酷くなります。
このような喉が狭まった状態で無理に呼吸をしようとするので、大きなイビキも出やすくなってしまいます。そしてやがては喉が完全に潰れてしまい、呼吸が止まります。
睡眠時無呼吸症候群によって熟睡が出来なくなれば、日中に眠気に襲われやすくなります。集中力が低下したり、情緒不安定になったり、キレやすいなどの精神的衝動が出てくるケースもあります。
3.脳機能がちゃんと成長しない危険性が出てくる
鼻づまりが原因で睡眠時無呼吸症候群になったり、熟睡できなくなってしまうと、脳の発育にも悪影響を及ぼします。
大人の場合は脳が完全に発育しきっているので、熟睡できるようになれば大丈夫です。しかし、子供は脳が発展途上の段階であり、知能の低下につながる危険性も出てきます。これは大人になっても改善できません。
特に脳の前頭葉と頭頂葉への影響は大きく、睡眠不足になると、この部分への血流量が減少します。これにより栄養や酸素がしっかり運ばれずに、ちゃんと成長してくれません。
さらに前頭葉の中には「前頭連合野」という領域があり、短期記憶というワーキングメモリーが働いています。さらに、集中力や認知力、注意力、判断力、実行力、情動などの機能も持っており、子供が大人に成長していくためには欠かせない部分です。
睡眠不足や不眠症の状態が続けば、大切な前頭連合野の働きが弱くなるだけでなく、大人に向けてしっかりと成長しない危険性も出てきます。
脳機能が子供のままになる可能性も出てくるので、要注意です。
4.ホルモンの分泌が低下し、身長が伸びなくなる
鼻づまりが起因する悪影響の1つが、ホルモンの分泌量が低下することです。発育において大切な成長ホルモンは、夜寝ている間に分泌されます。
このホルモンは身長を伸ばす働きだけでなく、疲労を回復させたり、使った筋肉を修復させ、さらに大きくする役割も果たしています。
したがって睡眠障害によって成長ホルモンが十分に分泌されなければ、身長の伸びがストップする危険性が出てきます。
成長期の子供は、鼻づまりが解消されることで身長が一気に伸びるケースもあるそうです。
5.胸郭やアゴの発育が妨げられる
呼吸は本来、鼻で行うものです。鼻づまりになると、身体に必要な酸素が十分に取り込めなくなくなります。
これが原因で口呼吸を行うようになるのですが、この口呼吸が問題です。
小さいお子さんが口呼吸を行うと、アゴ(顎)の発育が悪くなります。そしてアゴが小さくなってしまい、歯が成長する時の土台も不十分な状態に。
すると歯並びが悪くなってしまい、喉の発育状態も悪くなっていきます。
そのまま大人になれば睡眠時無呼吸症候群を発症しやすくなり、ちゃんと熟睡できずに、日常生活にも支障をきたしてしまいます。
これだけではありません。口呼吸になると、空気が流れやすくなるように無意識に胸を引っ込めるようになります。これは猫背の状態であり、成長期の時にいつもこの姿勢を取っていると、大人になってもこれが治りにくくなります。
さらに胸郭も小さいままになってしまい、筋肉の発達も未熟になってくるため、運動が不得意になる可能性が高くなります。
6.まとめ
子供の鼻づまりで恐ろしいのは、睡眠障害や不眠症によって熟睡できなくなり、重大な弊害が起こってしまうことです。
ホルモンの分泌が低下して身長が伸びないだけでなく、脳機能が十分に発達しなかったり、アゴの発達が未熟になって歯並びが悪くなる危険性もあります。
この他にもにおいが感じられなくなったり、運動が苦手になってしまうケースも出てきます。
このため、もしお子さんが口呼吸ばかりしているようでしたら、まずは鼻呼吸をしっかり教えてあげましょう。
そして鼻呼吸がうまくできず、鼻づまりが疑われるような時は、すぐに最寄の耳鼻科のドクターに診てもらうことが大切です。
耳鼻科に行けば、薬による治療や、鼻洗浄、または手術によって鼻づまりを治してくれます。
実際に医師の治療によって鼻づまりを解消させたお子さんは、
○急に身長が伸びてきた。
○ちゃんと勉強するようになり、成績が上がってきた。
○キレやすい性格が治ってきた。
○運動が得意になってきた。
などのうれしい変化が出ているようです。
子供の鼻づまりの有無は本当に大切なことなので、ぜひ注意深く見守りたいですね。
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