重症度によって異なるワキガの治療法
シャワーを浴びて綺麗に洗っても、汗をかくとすぐに漂ってしまうワキガ臭。
「治すためには、手術を受けるしかないのか・・・」と思われている方も、もしかするといらっしゃるかもしれません。
もちろんワキガを手術で治す方法もありますが、現代のワキガ治療には、様々な方法があります。
またワキガには軽度のものから重度のものまで段階があるので、一人ひとりの重症度に応じた治療法を選択するのが、一般的なものとなりつつあります。
そこで今回は、ワキガの重度、中度、軽度に応じた治療法をピックアップしてみました。
1.重度のワキガにおける治療法
ワキガの症状が重度~中度の場合は、直視下手術法か非直視下手術法のいずれかの手術が採用されるケースが多いです。
〇直視下手術法とは?
ワキの下にあるアポクリン腺を、一つずつ丁寧に取り除いていく手術です。1度ワキの下を切開し、裏返して手術を行うため、4センチ程度の傷が1本残ります。
術後は傷口が落ち着いてくるまで、圧迫ガーゼを1週間程度あてておく必要があります。ワキガ臭排出のきっかけとなるアポクリン腺を取り除いてしまうので、高い改善効果が期待できます。
〇非直視下手術法とは?
非直視下手術法は、皮下組織削除法と超音波吸引法、皮下組織吸引法の3つの治療法があります。
・皮下組織削除法
専用の医療機器を用いて、皮下組織を削り取ってしまう方法です。エクリン線やアポクリン腺を直接除去してしまうので、高い効果が期待できます。
しかしながら皮膚壊死の危険性もあり、回復までに時間がかかります。さらに、執刀する医師の高い技術力も必要だと言われています。
・皮下組織吸引法
カニューレと呼ばれる特殊な細い管を差し込み、アポクリン腺や皮脂腺、エクリン線を吸い取ってしまう手術法です。ワキの下部分に小さい穴を開けて、そこにカニューレを通していきます。
傷口が目立たないという利点がありますが、アポクリン腺を完全に除去するのは難しいです。
・超音波吸引法
皮下組織吸引法と同様に細い管を差し込み、その先端に超音波を流します。すると熱が発生し、その熱の力によってアポクリン腺が破壊され、吸引していきます。この方法もアポクリン腺を完全に無くすことは困難だと言われており、合併症や火傷の危険性もあります。
2.中度のワキガのおける治療法
ワキガの症状が手術するほどではなく、中度の状態と判断された場合は、以下の2つの治療法が採用されるようです。
・レーザー脱毛
黒いメラニン色素に反応する特殊なレーザー光線を照射し、わき毛を綺麗に脱毛してしまう方法です。わき毛を毛根ごと無くしてしまうので、ワキガ臭の軽減につながります。
美容クリニック等で行われているムダ毛処理のレーザー脱毛と、同じ内容です。
・ボトックス注射
ワキの下に、ボツリヌス菌の毒を注射します。これによって汗を出そうとする伝達物質の分泌量が低下し、結果として汗も出にくくなります。ただし、ボトックス注射は、主としてエクリン線に働きかけます。このためメンタル面の影響で汗が大量に出る方や、多汗症の方などに特に効果的です。
3.軽度のワキガにおける治療法
ワキガの症状が軽度の場合は、以下の方法で改善効果が期待できます。
・臭化プロバンテリン
内服薬の一種で、抗コリン剤という種類に該当します。汗の分泌量を減らす効果が期待できますが、尿の出が悪くなったり、目や口が乾きやすくなるという副作用もあります。
また、自律神経や精神面に働きかける内服薬も、場合によっては効果的です。(※ただし、医師の処方のもとで服用する必要があります。)
・塩化アルミニウム液
コットンやティッシュに塩化アルミニウム液を染み込ませて、ワキの下に塗ります。臭いを抑える働きがあり、ワキガ臭の軽減効果が期待できます。
・制汗剤を活用する
軽度のワキガの場合は、制汗剤を活用することでもワキガ臭を軽減できます。汗をかいたらすぐにふき取り、その後シュっと制汗剤を吹き付けることも、ワキガ臭の予防におおいに役立ちます。
4.ワキガ治療法のまとめ
いかがでしたでしょうか。ワキガの治療法はその重症度によって、様々なものがあります。
まずは軽度の方法から試してみて、それでも改善しない場合は医師に相談してみるのが良いと思います。
ちなみにワキガの診療科目は、一般的には皮膚科です。もし重度のワキガの場合は、美容外科のクリニックなどで手術を受けることも可能です。
医師に相談することで解決策が見つかり、治療を進めて症状が改善するケースも多いです。なので一人で悩まずに、まずは最寄りの皮膚科医に相談してみるのがベストかもしれません。
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